スマ-トフォン等のモバイル機器向けのOS Androidを提供するGoogleがパソコン向けに開発したOSのChrome OSを搭載した試作機がGoogleより公開される。このOSはWeb接続を前提としている為、Windowsよりも機能を制限し高速化を達成。試作機は電源起動から10秒でネット接続が出来利用が可能となる。パソコン自体には大容量ストレ-ジを持たしておらず、アプリケ-ションからデ-タ保存も全てWeb上でのアクセス・管理となる。GoogleはChrome OSで利用出来るアプリケ-ションを提供するマ-ケットプレ-スのChrome Web Storeを12月にリリ-スし、Googleが提供するアプリケ-ションだけでなくAmazon, NY Times, Facebook等のアプリケ-ションも提供される事となる。今後GoogleはChrome OSを無償でパソコンメ-カ-に提供する事を発表しており、早速台湾のAcerやSamsungが採用を発表。又Toshiba等も支持を発表している。
ネットワ-クインフラの拡大と共にChrome OSパソコンが活躍出来る場は広がると思われ、又無料OSとハ-ドディスク等を不要とする事で低価格PC出現に大きく影響する事が考えられる。但し、デ-タ保存等がすべてWeb上となる事に対し企業のセキュリティ-ポリシ-が受け容れられるか等の課題が残る為、直ぐにWindowsの脅威とはならず、市場での認知・普及にはある程度の時間がかかると予測される。又印刷もChrome OS対応プリンタ-ドライバ-が必要となるが、現在の対応機種は少ない為、ネットワ-ク経由でWindowsパソコンに繋ぎそこから印刷する手段が提供されている。今後Googleが進めるWebプリントサ-ビスのGoogle Cloud Print(現在はベ-タ版であるが、通常のWindowsプリンタ-ドライバ-をGoogleのクラウドにインスト-ルする事でユ-ザはモバイル機器等ドライバ-を持たない機器からでもワイアレスで印刷できる仕組み)の対応でChrome OSからの印刷は問題なくなる可能性も秘められている。
このChrome OSパソコンがGoogleの狙い通りに成功するかどうかの最初の関門は、この試作機をトライアルで評価を始めるアメリカン航空・クラフトフ-ズ等の結果による為、今後これらの企業がどのような評価を発表するかに注目される。
Google, Facebook, Twitter等続々とアメリカから産まれる新しいITの発想に注目し、注目すべきニュースを解説。目標は日本発で世界を制覇する新しいサービスの構築!
2011年1月24日月曜日
GoogleのMessage Continuityサ-ビス
Googleはe-mailのバックアップサ-ビスとなるGoogle Message Continuityを発表。これはMicrosoft Exchange を利用している企業向けに提供されるサ-ビスとなり、ExchangeのバックアップをGoogleのe-mailであるGmailにバックアップするサ-ビスとなる。これにより企業はExchangeのサ-バ-がダウンし、e-mailにアクセス出来なくなった時にGmailにログインする事でe-mailの利用が可能になる。このサ-ビスはExchangeサ-バが問題無く稼動している間は必要とされない為、積極的に導入する企業の数は多くない事が予測されるが、導入後に活用するケ-スが出た企業にとってはWebサ-ビスのメリットを体感出来る絶好のチャンスとなる。企業市場でのビジネス拡大を狙うGoogleにとって、この試みがどこまで成功するかは未知数であるが、何時利用されるか分からないサ-ビスに対し大容量のストレ-ジを提供し、付け入る隙を伺う戦略には注目される。今後このサ-ビスがどこまで市場で受け容れられ、MicrosoftからGoogleに転換する企業が出て来るのか注目される。
ブラジルやインドでクラウドが拡大
Ciscoが日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、中国、インド、ブラジル、オ-ストラリア、メキシコの13ヶ国を対象に調査を実施し、その結果をCisco Connected World Reportとして発表。クラウドコンピュ-ティングに関してはブラジル・インド・中国が導入済みや計画中の比率を他国より上回る結果となる。又オフィス勤務が業務の効率を高めるかの質問に関してはドイツの57%, 日本56%, イギリス45%, 米国41%がYESと答えたのに対し、ブラジル23%, 中国19%, インド7%になる等、先進国と新興国での特徴の違いが浮き彫りになる。(http://newsroom.cisco.com/dlls/2010/ts_101910.html参照)
2011年の職場に関するトレンド
米国の失業率は11月も9.8%と依然して高い水準が続いているが、オンライン求人サイトのElanceは職場を持たないオンライン勤務の求人が拡大を続け、年間に40万の職を提供するまでに成長した事を発表。この傾向は今後も継続すると予測し、時代の流れの中で2011年重要になる職場トレンドを発表。
1. 履歴書のオンライン化:履歴書・職務経歴書がSNSや求人サイトのプロフィ-ルやブログに取って代わり、他の人がどう見てるか等の情報が重要になる。従来の一方通行の履歴書は衰退。
2. モバイルからデスクトップに:タッチスクリ-ンのタブレット・スマ-トフォン対応アプリケ-ションニーズが拡大。今後のアプリケーションは先ずモバイル対応を優先する事が必要となる。
3. オンライン求人・リモ-ト勤務の増加:共有デジタルワ-クスペ-ス、リアルタイムコラボレ-ション、オンラインエンプロイメントプラットフォ-ム等の向上により、オンラインでの求人・勤務が増加。
4. HTML5/Flashの競争によるプログラマ-ニ-ズの増加:リッチメディアコンテントのニ-ズが高まる中、HTML5とFlashのニ-ズが拡大。開発者の需要は2011年に大きく拡大。
5. ビジネス市場のソ-シャルネットワ-ク拡大:求人だけでなく、販売・マ-ケティングでもFacebook, Twitter等のソ-シャルサイト利用が拡大し、ソ-シャルメディアの価値が一段と高まる。
6. トラディショナルマ-ケティングの衰退:ダイレクトメイル、テレマ-ケティング等のトラディショナルマ-ケティングは衰退。Grouponのような顧客が顧客を呼ぶモデルが一段と拡大。
1. 履歴書のオンライン化:履歴書・職務経歴書がSNSや求人サイトのプロフィ-ルやブログに取って代わり、他の人がどう見てるか等の情報が重要になる。従来の一方通行の履歴書は衰退。
2. モバイルからデスクトップに:タッチスクリ-ンのタブレット・スマ-トフォン対応アプリケ-ションニーズが拡大。今後のアプリケーションは先ずモバイル対応を優先する事が必要となる。
3. オンライン求人・リモ-ト勤務の増加:共有デジタルワ-クスペ-ス、リアルタイムコラボレ-ション、オンラインエンプロイメントプラットフォ-ム等の向上により、オンラインでの求人・勤務が増加。
4. HTML5/Flashの競争によるプログラマ-ニ-ズの増加:リッチメディアコンテントのニ-ズが高まる中、HTML5とFlashのニ-ズが拡大。開発者の需要は2011年に大きく拡大。
5. ビジネス市場のソ-シャルネットワ-ク拡大:求人だけでなく、販売・マ-ケティングでもFacebook, Twitter等のソ-シャルサイト利用が拡大し、ソ-シャルメディアの価値が一段と高まる。
6. トラディショナルマ-ケティングの衰退:ダイレクトメイル、テレマ-ケティング等のトラディショナルマ-ケティングは衰退。Grouponのような顧客が顧客を呼ぶモデルが一段と拡大。
拡大する企業向けソ-シャル市場
Gartnerは企業向けソ-シャルソフトウエア市場は2010年の$664Mから2011年には$769Mに成長し、その後も年率15%で成長し2012年には$1Bを越す予測を発表。ソ-シャルソフトウエアにはBlog, wiki, forum, RSS feed, bookmark, communityからTwitter等のマイクロブログ、FacebookのようなSNSも含んでおり、企業内でのコラボレ-ション向上が大きな目的と定義。一例としてはセ-ルスが新規顧客獲得を狙い社内の成功事例やアドバイスを入手する為にwikiを開設し、関連社員の参加を目指すケースが考えられる。ここではsalesforce.comのChatterがの活用が上手く当てはまる。又新規採用社員が社内で法律のエキスパ-トをイントラネットで探す必要がある時はIBM Lotus Connectionsが適しているとGartnerは指摘している。Salesforce.comやIBM以外にもHP, SAP, Cisco, Microsoft等の大手ベンダ-が企業ソ-シャル市場をタ-ゲットとし自社開発・買収を進めてくると予測。又現在ニッチ市場対応を行っているSocialtext, Socialcast, Jive software等の注目も高まり、特にJiveは2011年にIPO(株式公開)も予測されている。2011年以降Facebook等のSNSも企業市場をタ-ゲットに進めてくる事も予測され、企業向けソ-シャル市場での競争が激しくなってくると考えられる。
音声認識・合成の拡大
クラウドコンピュ-ティングの成長と共に音声アプリケ-ションの品質が向上し用途が拡大している。Microsoftがホスティングしているクラウドコンピュ-タ-システムの中でも、音声アプリケ-ションは最も大きな一つとなっており、モバイル機器の普及と共に拡大している。Microsoftは2007年に音声認識のTellmeを買収し音声アプリケ-ションの強化を図ってきたが、現在Microsoftで検索が行われる20%は音声検索となっており、その検索関連情報は全てクラウド上で管理されている。ユ-ザがモバイル機器でレストランを音声で検索した場合、そこで表示されたレストランをクリックするかどうか、又は再度検索を行うかにより、ユ-ザの求めている検索結果を表示出来たかどうかを判断。この履歴情報により検索結果の向上を狙っている。又スマ-トフォンで通話している時に検索を融合する事で新しいサ-ビスを提供する事も画策している。例えば電話中に友人とNew Yorkで日本食の約束をする場合、その旨をMobile Bingに話す事でMicrosoftのシステムが二人のスケジュ-ルを確認し、NYのレストランを検索、その結果を表示する等のサ-ビスを検討している。Microsoftは音声検索を通常のPCで検索されるBingだけでなく、Windows Mobile 7の電話、Xboxゲ-ムのKinect等にも展開しており、その技術はバックエンドで統一されている。今後共通したユ-ザインタ-フェ-スを各デバイスで提供する事により、音声アプリケ-ションの一層の拡大を狙っている。
一方Googleも音声認識による検索から、翻訳読上げ・地図のナビゲ-ション等の音声合成を展開してきているが、12月にSegaやSony等のゲ-ム・スマ-トフォン向けに音声合成アプリケ-ションを提供しているPhonetic Artsを買収。今後自然な読み上げを強化し、SF映画に出てくるような人とコンピュ-タが会話するような技術開発を狙っていく事を発表。音声認識・合成はNuance(OCRや文書管理も行っている企業)が市場をリ-ドしていたが、AppleのNuance買収も噂されており、今後Google, Apple, Microsoftの音声アプリケ-ション競争が激しくなる事も考えられる。
一方Googleも音声認識による検索から、翻訳読上げ・地図のナビゲ-ション等の音声合成を展開してきているが、12月にSegaやSony等のゲ-ム・スマ-トフォン向けに音声合成アプリケ-ションを提供しているPhonetic Artsを買収。今後自然な読み上げを強化し、SF映画に出てくるような人とコンピュ-タが会話するような技術開発を狙っていく事を発表。音声認識・合成はNuance(OCRや文書管理も行っている企業)が市場をリ-ドしていたが、AppleのNuance買収も噂されており、今後Google, Apple, Microsoftの音声アプリケ-ション競争が激しくなる事も考えられる。
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