5月にSkypeを$85B(約6,800億円)で買収したマイクロソフトは、この買収によりXboxゲ-ム機でもビデオ通話が出来るようになる事をアピ-ル。しかし実際には買収発表当日にMicrosoft CEOのSteve Ballmerと元Skype CEOの Tony BatesはFacebookのCEO Mark Zuckerbergに会い戦略的パ-トナ-シップについて相談。その後7月6日にFacebookがSkypeをサポ-トする発表が実現し、Facebookユ-ザはチャットのペ-ジからビデオのアイコンをクリックするだけでビデオ通話が可能となる。FacebookをはじめとしたSNSはサ-ビス自体が無料な為、収益の多くは広告が占める状況となっている。そこで各SNSはユ-ザの数を増やすと共に、ユ-ザの滞在時間を長くする事で広告の価値を上げる事を重視している。現在Facebookは7億5千万ユ-ザ(グロ-バルベ-ス)を持ち、その多くはチャットやメッセ-ジ等で多くの時間をFacebook内で過ごしているが、そこにビデオ通話を追加する事で一段と滞在時間を延ばす事を目指している。一方Microsoftにとっては買収したSkypeをFacebookに提供する事で、ビデオ通話の無料版から有料サ-ビスに移行する顧客の獲得を狙う事ができる。又Microsoftは2007年にFacebookの株を1.6%入手し(1.6%と言っても現時点の価値は約1,000億円)、検索エンジンBingとFacebookの統合を行う等、以前からFacebookとの間で強い戦略的関係を構築してきている。その背景にはGoogleへの対抗があり、大きなユ-ザベ-スを持つFacebookと組む事でGoogleへの対抗を強化している。
一方Googleは多くのユ-ザが検索で通過するだけの事が多く、SNSと比べて滞在時間が短時間となっている。そこで6月にHangoutsと言うビデオチャット機能を持つ新SNS Google+を発表。Hangoutsは最大9人までのグル-プ対話を提供し1対1のSkypeを差別化している。その影響か、Google+は発表後2週間で1,000万ユ-ザ登録となっており、市場で大きく注目される状況となっている。と言えでもFacebookの7億5千万ユ-ザに追いつくのは容易ではなく、今後両社はビデオ通話を1つの機能として、Facebook+Skype対Googleで競合していく事となる。又ビデオ通話ではAppleのFace TimeがiPhone, iPad等のモバイル機器市場で大きなシェアを持ち、モバイル機器市場ではGoogle, Skype共に水を開けられている状況となっている。そのAppleはFace Timeのコ-ドをオ-プンにし、サ-ドパ-ティ-が開発出来るようになる事を公言。Google+のHangoutもオ-プンにする可能性が指摘されているが、既に多くのユ-ザを持つSkypeはオ-プンにする可能性が低いと見られており、今後各社の対応が市場でどう受け入れられていくか興味が持たれている。
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