米国の医療保険の相互運用と説明責任に関する法律HIPAAでは患者1人1人の情報に対する機密性確保や脅威・危険への対策等が定義されているが、医療機関によっては未だに徹底出来ていないとの指摘がある。又オバマ政権が推進するe-Health政策では2014年までに米国の医療記録を電子化する目標を持っているが、電子デ-タに対する不安が大きく残っており医療記録等の電子化も思うように進んでない状況となっている。このような状況の中US Department of Health and Human Service (米国保険社会福祉省)はUCLA大学のMedical centerをHIPAA非準拠により$865,000の罰金を課した事を発表。また罰金だけでなく、HIPAA非準拠項目の対策と共に関係者全員の教育プログラム実施が求められ、その確認として3年間監査が入る事が決定。HIPAAは1996年制定後2003年にはセキュリティに関する最終的な規則が発効されているが、その後もHIPAA対応の遅れや、違反行為がある医療機関の存在は以前から指摘されてきていた。そこで今回UCLAに罰則を与える事でDepartment of Health and Human Serviceは違反者に対して真剣に取組む姿勢を見せる事となる。今回の事例では具体的なHIPAA非準拠項目が示されていないが、2008年にUCLA病院を利用した俳優Tom CruiseやFarrah Fawcet等の個人医療記録がUCLAの従業員及び医師により不正にアクセスされた事件が対象になったと見られている。今回のUCLAの事件は有名人の個人記録に関わっていた為に注目度も高まる事となった。但しこの動きにより今後米国内でHIPAA対策と共に医療機関の情報管理・電子化が一段と進む可能性があり、今後の米国医療市場進展の一つの要素になる可能性と捉える事も出来る。
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