航空業界の国際団体であるIATA(International Air Transport Association)は加盟各社に対し航空貨物で必要となるドキュメントを電子化するように2007年から呼びかけてきたが、インド・ロシア・ベトナム等は貨物デ-タの電子化について定めているモントリオ-ル条約の対象となっていない事等の理由により電子化の浸透が遅れてきた。又中小企業にとっては、ドキュメントの電子化を行う為の投資や教育の実施が容易でない事も全体が進みにくい背景ともなっている。一方で荷物の送付には最大30種類のドキュメントを用意する必要があり、業務の効率化の為にも電子化が望まれている。2010年の電子ファイル利用は全体の2.8%に留まっている為、IATAは2011年に10%・2015年度に100%電子化する目標を設定。ドキュメントの電子化100%には$1Bのコストがかかると言われているが、その見返りに年間$4.9Bのコストダウンとなり短期間の回収が可能になると見られている。又輸送時間の短縮化や貨物の監視強化となり、早く安全な輸送に繋がると言われている。このような状況の中2008年に電子ドキュメント対応を始めたアメリカン航空は昨年度18%の電子化対応を実施した事を発表。又キャセイ航空は現在の紙ドキュメントまみれの状態を改善する為に、先ず香港から国外へ送る貨物輸送状の電子化を100%を目標とする事を発表。航空業界では昨年発生した航空貨物爆弾事件も電子化促進に繋がっているが、市場全般に電子化のメリットに対する認知度が高まっている事も要因となっている。
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