2011年5月21日土曜日

期待が高まるCloud storageとその実情


市場調査会社のSSG-NOW(Storage Strategies NOW)57%CIOとストレ-ジアドミニストレ--Cloud storageを既に採用しているか検討中であるとの調査結果を発表。保存対象のデ-タはe-mail, front office application, data backupの順となっており、採用の理由は経費削減(16%)TCO削減(14%)、ビジネスの効率化(14%)、オフサイトのインフラ構築の代用(12%)となる。一方不安材料は実績が十分でない事・信頼性・セキュリティ-・特定のベンダ-から離れにくくなる事・インテグレ-ションが難しそうな事等が挙げられている。このようにクラウドに対する不安は残るものの多くの企業が採用を前向きに考えている為、今後成長が見込まれる市場と見られている。一方、文書保存業で米国最大のIron Mountain2年前に開始したクラウドストレ-ジサ-ビスのVirtual File Storeの終了を発表。この一年でEMCAtmos OnlineVaultscape等もCloud storageを撤退しており、価格競争等の影響で短期的な利益追求では継続が難しい企業が多く発生している。但し今後の成長は間違いない市場と見られている為、今後はストレ-ジの専門サ-ビス業者が価格で競争しながら淘汰されていくか、若しくはビジネスアプリケ-ションの一部としてCloud storageの存在が確立され、単なる価格競争とはならない市場に進んでいくのか注目される。

航空貨物業界でのドキュメント電子化


航空業界の国際団体であるIATA(International Air Transport Association)は加盟各社に対し航空貨物で必要となるドキュメントを電子化するように2007年から呼びかけてきたが、インド・ロシア・ベトナム等は貨物デ-タの電子化について定めているモントリオ-ル条約の対象となっていない事等の理由により電子化の浸透が遅れてきた。又中小企業にとっては、ドキュメントの電子化を行う為の投資や教育の実施が容易でない事も全体が進みにくい背景ともなっている。一方で荷物の送付には最大30種類のドキュメントを用意する必要があり、業務の効率化の為にも電子化が望まれている。2010年の電子ファイル利用は全体の2.8%に留まっている為、IATA2011年に10%2015年度に100%電子化する目標を設定。ドキュメントの電子化100%には$1Bのコストがかかると言われているが、その見返りに年間$4.9Bのコストダウンとなり短期間の回収が可能になると見られている。又輸送時間の短縮化や貨物の監視強化となり、早く安全な輸送に繋がると言われている。このような状況の中2008年に電子ドキュメント対応を始めたアメリカン航空は昨年度18%の電子化対応を実施した事を発表。又キャセイ航空は現在の紙ドキュメントまみれの状態を改善する為に、先ず香港から国外へ送る貨物輸送状の電子化を100%を目標とする事を発表。航空業界では昨年発生した航空貨物爆弾事件も電子化促進に繋がっているが、市場全般に電子化のメリットに対する認知度が高まっている事も要因となっている。

Microsoft Bingの利用拡大


調査会社Experian Hitwiseの報告によるとBingの検索数は2月から3月で5%上昇、逆にGoogle3%の減少となっている。3月度のシェアではGoogle64.4%Bing 14.3%Yahoo 15.7%となるが、Yahooの検索はBingを利用している為、Bingエンジン全体で見ると30%となりGoogleの半分近くのシェアまで拡大してきている。逆にGoogle1月の68%2月に66.7%3月は64.4%となり、Bing拡大の影響が顕著となっている。このような状況の中MicrosoftiPad対応アプリケ-ションBing for iPadをリリ-ス。ブラウザ-に見えるが実際は独自のアプリケ-ションであり、タブレットでの利用を意識した簡単なユ-ザインタ-フェ-スを追求。調査会社のSterling Market Intelligence“iPadのキラ-アプリになるとの声明を発表。MicrosoftにとってAppleは競合企業でもあるが、Bing拡大の為には競合プラットフォ-ム対応も必要となり、次は別の競合Google Android対応も行うと見られている。MicrosoftはタブレットやSmart Phone等のモバイル機器OSApple, Googleに大きく水を開けられたが、最も重要なアプリケ-ションの一つである検索をBingで押さえる事により、モバイルビジネスの拡大を強化していくと見られている。