11月に行われるアメリカ大統領選挙は民主党の現職オバマ大統領と、共和党のRomney前マサチュ-セッツ州知事との争いになると見られているが、そのRomney氏を強力にサポ-トするHP CEO のMeg Whitmanが注目されている。HPは個人の政治家サポ-ト活動を制限はしていないが、Whitmanは資金集めParty(高いチケットは$5万)を指揮する事もあり、HPの業績が厳しくその対策で追われる中CEOとしての動きに懸念が広まっている。一方Romney氏は雇用増加をマニフェストにあげているのに対し、HPは27,000人削減を発表。特に10/31までに米国で9,000人削減を実行するのは、その1週間後の11/6に行われる大統領選挙にとってはタイミングが悪すぎるとの懸念が出てきている。ロイタ-の世論調査では現時点でObama大統領とRomney氏の支持率はほぼ同等。4年前の大統領選ではGoogleのSchmidtがObama候補を応援し、Obama大統領就任後はアドバイザ-に就任。その後米国政府はクラウド戦略を進め、その中にGoogleのサ-ビスが多く含まれた事はSchmidtの影響もあったように見られている。Romney氏とHP CEOのWhitmanの動きがお互いにとってプラスに出るかマイナスになるか注目される。
Google, Facebook, Twitter等続々とアメリカから産まれる新しいITの発想に注目し、注目すべきニュースを解説。目標は日本発で世界を制覇する新しいサービスの構築!
2012年6月29日金曜日
MicrosoftのBarnes & Nobleへの投資
Microsoftは米国最大の書店Barnes & Noble(全米のショッピングモ-ル等に691店舗、又大学内に641店舗)が進める電子書籍事業をスピンオフさせる会社(仮称:Newco)に$300M出資する事を発表。Barnes &
Nobleの電子書籍事業はNookと言うe-book readerで展開されているが、現在のシェアはAmazonの60%に次ぐ2位のポジションで25%、3位はAppleの15%となっている。Barnes &
Nobleは2009年電子書籍事業に参入後技術面に注力。4月に発表したNook最新版には暗い場所に行くと光量を増加させ読み易くするGrowLight機能を搭載。女性を中心に評判が高く、Nookは現在品切れの状態となっている。OSにはAndroidを採用しているが、今後はWindowsへ変更していくと共に、Nookアプリケ-ションをWindowsタブレット、Windows Phoneに展開する計画も進んでいる。(尚Windows Phone OSはアプリの数が7万本に対し、iPhoneのiOSは60万、Androidは40万本と大きく水を空けられている為、Microsoftはアプリの数を増加させる活動を積極的に実施。特に電子書籍には力を入れる為、今回のBarnes &
Nobleへの投資と繋がっている。)又今後差別化対策としてMS Wordの中から電子ブックを開いたり、Skypeを統合する事で電子ブックリ-ダ-にソ-シャルの要素を入れていく事等が推測されている。 又各社共にこの2-3年で$4Bの市場にまで拡大すると言われている電子教科書の市場を狙っており、そこにはGoogleも参入。Googleは2010年Google
eBookstore立ち上げ後、Chrome OS PCのChromeBookを全米の学校に配布開始。現在41の州で数百校に拡大し、そこから電子教科書の購入・利用へ結び付ける事を狙っている。その中で大学構内にブックストアを展開するBarnes & Nobleは有利と見られているが、その利点をMicrosoft + Barnes&Nobleが上手く使えるか、又Apple, Amazon,
Googleがどのような策で強化して戦ってくるか注目される。
Appleが狙うCash registerマ-ケット
レストランや店頭で支払いを行う時、混雑時はレジに列を並んで支払い、お店はそこで収集されるPOS (Point of Sales)デ-タを在庫管理や顧客嗜好等に活用している。Appleはこの一般的な流れを変更し、店頭からレジ(キャッシュレジスタ-)を無くそうとしているとの見方がされてきている。実際Apple Store等ではレジを使わず、顧客対応している店員がその場でiPadにより商品の読取りから、クレジットカ-ド決済の対応が行われている。但しその為にはバ-コ-ドリ-ダ-やクレジットカ-ドリ-ダ-をiPadに装着する事等が条件となり、その為に拡大していかないとの見方もされている。今後非接触型のICカ-ド電子マネ-が拡大すると、レジを必要としない支払いが拡がっていく可能性も指摘されているが、その為にはICチップを読取るリ-ダ-が必要となってくる。日本ではSuica, Eddy等の電子マネ-が拡大し、駅・コンビ二・自動販売機等で見かけられるが、Felica規格のICチップ読取り専用リ-ダ-をレジに接続させる必要がある為、小規模の小売店等では導入が進んでいない実態となっている。又グロ-バルには電子マネ-の規格が統一されていない事もあり、地域差が普及の妨げとなっている。このような状況の中Appleは今年3月に発売したiPadで無線の規格Bluetooth4.0に対応。iPhoneは昨年中旬から既にBluetooth4.0対応を行っており、iPhone/ iPadのBluetooth無線接続がインフラが揃う事となる。そして、同時期Appleが進めるモバイルペイメントのiWalletがiTuneを経由してアカウント管理を行う特許を取得。これによりAppleのiTunesアカウントに登録されているクレジットカ-ドでの購入が容易になるだけでなく、購入出来る商品・場所・カテゴリ-・店舗・上限額等の設定が行えるペアレンタルコントロ-ル機能も提供されるようになる。Androidのスマ-トフォンには既にICチップが搭載される事で、電子マネ-の利用が可能となっているが、Appleユ-ザは商品購入時に自分のiPhoneとお店のiPadをBluetoothで繋ぎ、自身のiTunesアカウントから商品の支払いを行う事が可能となる。これによりお店は電子マネ-のICチップを読取るリ-ダ-は不要となり、レジ無しでお店の何処でも簡単に支払いを行う事が可能となる。顧客の全てがiPhoneを持ちiTunesで買物を行っているわけではないので、このコンセプトがどこまで市場で認められ普及していくかは不明な状況である。但し店舗の投資はiPadだけであり、顧客もAppleユ-ザ-であれば容易に実現出来るため今後実際にどこまで普及していくのか注目される。
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