IDCは2011年10-12月の四半期でPCの出荷台数が9,270万台となり前年度比で-0.2%のマイナス成長になったことを発表。マ-ケットシェアはHP(17.7%)、Dell (12.6%)、Lenovo (12.5%)の順となるが、前年度比で+36.8%の成長を見せたLenovoがDellに急接近し2位の座を奪う勢いを見せる結果となる。PCのマイナス成長は西欧の景気低迷やタイの洪水によるHDD供給不足の影響もあると捉えられているが、一方でモバイル機器拡大の影響も指摘されている。スマ-トフォンは2011年に1億5,500万台が出荷され前年度比+55%、又タブレットも6,690万台の3.6倍成長となる。
スマ-トフォンはApple のiPhone が市場を形成・牽引してきたが第3四半期にシェア1位の座をSamsungに奪われ、年度でもSamsung 20%・Apple 19%となる。ちなみに第4四半期ではAppleが前年度比128%の3,700万台の出荷に対し、Samsungは241%の3,650万台を出荷。一方2010年に33%のシェアを持っていたNokiaは2011年に16%にまで低下し、2011年第4四半期には€10Bの損失を出したことを発表。3四半期連続の大幅な赤字となり、携帯端末の価格下落と欧州市場中心のビジネスモデルが影響する。但しMicrosoft Windows Phone OSを搭載したWindowsスマ-トフォンは好調であり、今後中国・中南米への展開を計画。
一方タブレットは第4四半期に2,680万台が出荷され前年同期比で2.5倍に成長。Apple iPadはシェア58%の1,540万台を出荷し、Android機種合計の1,050万台(39.1%)を大きく上回る結果となる。但しiPadのシェアは2010年の68.2%から下落しており、前年度比で3.4倍の成長を見せたAndoroid勢が今後一段と成長する可能性が指摘されている。スマ-トフォン同様タブレットもSamsungがAppleを抜く可能性も有り得るが、タブレットはコンテンツが重要となる為、AmazonのKindle Fire($199, Color, 7インチ)がiPadのライバルとして本命視する声が高まってきている。Kindle Fireは11月15日発売後1.5ヶ月で6百万台を販売しており、電子書籍・音楽・動画等を重視するB to Cの市場では電子ブックリ-ダ-Kindleからの切替えを始め今後大きく成長すると予測されている。一方iPadとAndroidは共にビジネスアプリの充実化でB to B市場拡大を狙っているが、今後教育市場等ではKindle Fireと競合する事も予測され、各社のアプリ・コンテンツ戦略が注目される。PCの出荷台数が減少する中クラウドの成長と共にスマ-トフォン・タブレットが成長している事を裏付けるようにインテルが過去最高の売上げを発表。又2011年セミコンダクタ-を最も購入した企業はAppleとなり、2位はSamsung, 3位はHPとなる。モバイル端末はクラウドの成長と共に今後も拡大し、PCの市場を侵食する傾向が継続すると予測される。
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