2011年11月25日金曜日

2012年Top 10 Strategic technologies


Gartnerは毎年この時期に行われるシンポジウムで2012年重要になるITの技術・トレンド”Top 10 strategic technologies for 2012”を発表。

1.        Media Tablets:社員が個人のタブレット等を会社に持込む事に対し、企業はMobile computing platform対応としての取組みが必要となる

2.        Mobile-Centric Applications and Interfaces:今迄のicon, window, menuと言うPCU/Iが、iPhoneやゲ-ム機で見られるtouch, voice, video, gestureと言うモバイル機器U/Iに変化していく

3.        Contextual and Social User Experience:各ユ-ザのSocial Network, GPS, eCommerce等各種情報を収集・分析する事よりユ-ザとの接点が向上

4.        Internet of Things:各種物理的なにセンサ-やインテリジェンスを加え企業はInternet上で各種デ-タの入手・活用を実施する動きが加速

5.        App Stores and MarketplacesGartner2014年に年間700億以上のアプリがApp storeからダウンロ-ドされると予測。企業のSaaS, Cloud computingシフトにApp Storeが重要な存在となる

6.        Next-Generation Analytics:ビジネスプロセスのデ-タ分析/解析が拡大し、以前Data centerで行っていた事がモバイル機器でも可能になる

7.        Big Data:分析にも使えるデ-タの容量が大幅に拡大。大容量デ-タの管理方法で今迄とは違う新しい技術等が必要となる

8.        In-Memory ComputingConsumerEntertainment機器等に多くのメモリ-が搭載され、機器上で高速に稼動するアプリケ-ションが拡大。それにより新しいビジネスモデルも発生

9.        Extreme Low-Energy Servers:デ-タ容量拡大の中でも環境対策は広がり、多くのデ-タセンタ-では低エネルギ--バの活用が拡大

10.     Cloud Computing:既に多くの企業で取組みは見られるがその継続がITインフラの変更を実現。多くの企業がCloud serviceを提供開始
Cloud Computing 1年前に発表された2011Top10注目技術の1位はであったので、この1年で1位から10位に下がった事になる。但し注目技術としての価値が下がった訳ではなく、以前より一段と実際の活用ステ-ジに移ってきたと見る事が出来る。又Gartnerは上記10技術とは別にモバイル機器・ソ-シャルネットワ-クの対応が重要になる為、企業はNetwork capacity/ reliability/ wireless managementの対応が必要になると主張。上記背景として以下の事例を発表。

BIからOI (Operational Intelligence)へ

ERP, CRM等各種エンタ-プライズアプリケ-ションが創出するデ-タが増加する中、経営層が経営判断を行う為に活用するBusiness Intelligenceだけでなく、各現場でもデ-タからアクションを取れるようにする為のOI (Operational Intelligence)の注目が高まってきている。OIは業務プロセスとオペレ-ションを可視化し、業務状況をリアルタイムで分析する事で、現場で迅速なアクションがとれるようにし業務改善を図っていく事を狙いとしている。その為現場で起こっている事をリアルタイムで伝える事が重要となっており、各種デ-タからパタ-ンや相関関係の分析を行い異変の察知を行う。従ってダッシュボ-ド(各種デ-タを表やグラフ等にまとめて一覧表示するペ-ジ)もBI用には先月・先週・昨日の結果からの分析を表示する静止画に対し、OIでは現在の状況を映す動画的な画面になっている。企業にとって活用出来る(活用すべき)デ-タが増加する中、経営層から現場までIntelligenceによる業務改善・効率化の動きがモバイル対応と共に今後拡大していくことが予測される。

人間よりもITで正しい判断


Gartnerは人が経験や人間関係等に左右されながら人事考課・昇給等の判断を行っている事が常に正しい判断に結び付いていないことを発表。イギリスの企業350社を対象に企業の成長率と従業員の昇給率を調査したところ、企業価値が2002年から2011年の間に21%上昇する中で一般従業員の昇給は27%となる。但しExecutive(役員以上かどうかの定義は不明)700%の上昇となっている点を指摘。業績に合わせて給与・ボ-ナスが支払われる仕組みによりExecutiveの所得高騰が起きているが、その設定の仕方には課題があり、逆に一般のナレッジワ--に対しては業績連動型は逆に非効率的であるとの調査結果も出ている事を指摘している。そこで今後は各種デ-タとITを駆使した分析により、人ではなくITによるビジネス判断が重要になると指摘。給与設定だけでなく、人事関連でも人材の採用から入社後の管理までデ-タと統計による判断を注目すべきと発表。但し現時点では最適なアプリケ-ションが出現していない為、今後計算能力の高いコンピュ-タがBig dataを扱う事で市場に出現するようになると予測。

Amazon, Facebookにセキュリティの疑問


AmazoniPad対抗で発表したタブレットKindle Fire用に開発・搭載したBrowser Silkに付いて米国の議員からプライバシ-に対する疑問の声が上がる。Silkは高速化実現の為にユ-ザの動きを監視し、良く訪問するサイトはそのデ-タを事前に取得している事で表示の高速化を実現。但しそれによりユ-ザのプライバシ-を監視する懸念があると議員より指摘されている。一方Facebookはユ-ザのPCにクッキ-を保存し、そのクッキ-Facebookログアウト後もユ-ザのWeb上での行動を追跡しているとして訴えられる事となる。Amazon, Facebook共に高速性・利便性などを目指した結果と考えられるが、ユ-ザが不安を感じる行動はリスクを伴う為対策が求められている。