Googleは9月にレストラン等の格付けを行うZagat(フランスのミシュランガイドと似たランク付け)の買収を発表。又2010年に$700Mで買収した航空運賃等の旅行関連検索を行うITA Software社の技術を取り込んだ検索ペ-ジを発表。(www.google.com/flights)
レストランのランク付けや航空券価格の検索等一見Googleのビジネスとの結び付きが見え難い施策に思えるが、その背景にはGoogleが目指す検索の進化系が背景にあると見られている。Googleは次世代(将来系)検索を”Autonomous Search”(自主的検索)と位置づけており、ユ-ザが検索を実行する前にバックグラウンドで検索情報を提供する事を目指している。 Smart phoneユ-ザであればGPSによりユ-ザの位置情報が分かる為、地元から離れている時にはユ-ザ検索する前にZagat情報で近くのお奨めレストランを提示。又カレンダ-に遠方の顧客との打合せを入力すると、その出張に合わせて低価格のフライト・ホテル、到着時間に合わせたレストランの提案を行ったりする。又ビジネス関連だけでなく、カレンダ-に家族の誕生日等が入力されていると、その家族メンバ-がどのような検索を行っているかの履歴から好みを推定し、誕生日プレゼント購入のアラ-トと共に、プレゼントの提案も実施。このようにAutonomous Searchはユ-ザが検索する前に必要な情報を理解し提案する事でユ-ザの検索時間短縮を狙う。そしてユ-ザがGoogleのカレンダ-・To Do・e-mail・検索等を使えば使うほどログの増加により検索精度が高まる為、Digital Personal Assistantの存在に近付いて行く事となる。Googleはこの構想を4-5年で実現していく事を目指しており、今後もその実現に必要と思われる技術・ビジネスの買収を継続していくと予測される。
Google, Facebook, Twitter等続々とアメリカから産まれる新しいITの発想に注目し、注目すべきニュースを解説。目標は日本発で世界を制覇する新しいサービスの構築!
2011年10月18日火曜日
Windows8+SkyDrive vs iCloud…?
Microsoftは現在無償で提供している25GBのストレ-ジSkyDriveをWindows8ではOSに組み込み、OSの一部として簡単にオンラインファイルが扱えるようになる計画を発表。Windows8では従来のWindows User Interfaceが一新され、Metroと言うAndroidのようなスマ-トフォンを意識したU/Iが採用される為、SkyDriveに保存された写真やアルバムはPC、タブレット、スマートフォン等の端末で簡単に閲覧・共有出来るようになる。又SkyDriveのOS統合はファイル保存・共有だけでなく、Windows Live ID(SkyDriveのアカウント設定でも必要となるID)でログインすると、Windows8のPCで設定される言語・アプリケ-ション・タスクバ-等の設定を保存・共有する事が可能となる。これによりどのPCでもWindows Liveアカウントにログインする事で、自分の環境を再現し作業が可能となる。Windows8は2012年に市場への展開が計画されておるが、今後Windows Liveアカウントによる各種サ-ビスの統合が行われ、バ-チャルデスクトップ的な活用が進んでいく事になると予測される。一方10月12日サ-ビス提供開始のApple iCloudはMac, iPhone, iPad, iPod touch等で音楽・ビデオ・写真等を共有・同期できるサ-ビスとなる。これによりiPadでiTunesより音楽を購入すると、その音楽をiPhoneで視聴する事が可能となる。又Documents in the Cloudの対応も行っており、音楽・写真だけでなくドキュメントの保存共有も可能となっている。一つのApple IDで最大10台のApple製品同期が可能となり5GBまでは無料, 10GBで年間$20, 20GBで$40, 50GBだと年間$100の価格となる。
ビジネスユ-ザタ-ゲットのWindows8+SkyDriveと、コンシュ-マ-を意識したApple iCloudは一見異なるサ-ビスに見える。但しコンセプトは共通している部分が多い。そこで今後MicrosoftがWindows PhoneやZuneの強化を狙い、AppleがMacintosh・iPad等でビジネス市場拡大を狙うと、両社のサ-ビスは大きく競合する事となる事が考えられる。そしてWiMax等の無線高速インフラが進化していくと、両社の戦略はユビキタスコンピュ-ティングへと繋がっていくと考えられる。
大型Retail storeのIT強化策
売上高で米国最大の家電量販店Best Buyが今後1年以内にITプロフェッショナル(e-commerce, application development, business analytics, engineering,
project management等)200人採用する計画を発表。大型店舗による品揃えで成長してきたBest Buyであるが、7-9月の四半期では全米1,100店舗の店頭販売は2.8%のダウンとなる。反面オンラインショッピングは13%の成長を見せており、店頭販売だけでは成長が難しい時代になってきていると判断。そこで自社IT部門を強化し、顧客に対し店頭・オンラインの両面でショッピングのCustomer experienceを向上させる事を計画。又ITの社内活用向上にも力を入れ、社員同士のコラボレ-ション強化とイノベ-ション発掘を促す事を計画。ちなみに米国Retail storeにとって最も稼ぎ時となるクリスマスショッピングシ-ズンはBest Buyも毎年アルバイトの大量採用で対応するが、昨年の29,000人に対し今年は15,000人での対応を計画。スロ-経済とWeb販売拡大がクリスマスシ-ズンにも影響している事が背景となっている。
一方米国の大型百貨店チェ-ンMacy’s(全米に約430店舗展開)も、自社IT部門の強化を発表しており2年間で725名のITプロフェッショナル採用を計画。Best Buy同様成長を見せるオンライン販売のMacy’s.com, 高級ブランド販売Bloomingdaleのbloomingdale.comの強化を計画。また大型ス-パ-を全米展開するTargetも同様にIT強化を発表。
Best Buy, Macy’s/Bloomingdale, Target等リテイルで代表的な企業の店舗販売にもネット販売の影響が大きく出てきており、“Web+店舗”の特徴を活かす事が求められている。その為各社ITを大きく強化し、店舗を保有するメリットを活かす事でAmazon等との競争に臨んでいく事となる。実際”Web+店頭”のUser experience強化はどのような物になるのか、又各社社内ITの強化によりCollaboration, Innovationを引き出そうとしているが、どのように実現していくのかに注目される。
登録:
投稿 (Atom)