2011年7月19日火曜日

成長が予測される米国医療産業


ricewaterhouseCoopersは米国で法規制準拠やモバイル対応を中心とした医療産業のIT支出が拡大し、2019年には米国経済の20%を占める事になるとの予測を発表。米国の雇用全体は過去20年で16%の成長を見せたが、同時期医療産業は65%と驚異的な雇用数の成長を見せており、全米で3人に1人は医療産業に従事した事があるか、現在勤務しているか、又は将来就職を希望しているか、と言われている。実際2010年にEHR(Electronic Health Records:電子カルテ)対応等で大病院を中心に米国医療産業は$88.6Bの支出があり、そこに今後2年間で58%の小規模開業医がEHR対応を計画。また2015年までにEHR対応を行わないと、政府よりぺナルティ-が発生する為、総合病院から開業医までの全市場での拡大が約束されている。実際Fortune5075%が医療関連ビジネスを展開済みか計画中であり、大手が揃って狙う成長領域となっている。EHRのような医療アプリケ-ション以外にも、医療関連のビデオゲ-ムが$4B, 医師や病院の評価を行う仕組みで$8.9B, モバイル対応医療アプリケ-ションで$700M等全体で市場の規模が拡大。又各病院はソ-シャルメディア対応も進めているが、実際に効果を感じている病院は13%しか無いとのデータも報告されている。
このような状況の中Google2008年に開始した健康状態・処方箋・検査結果等の記録をWeb上で保管・管理する個人用医療記録サ-ビスGoogle Healthの終了を発表。Googleが期待していた程の参加(病院・保険会社・ユ-ザ)が無かった事が背景となる。一方同じ時期/コンセプトで開始したMicrosoft HealthVaultはモバイル端末からのアクセスや、レントゲン写真デ-タ保存対応等を進めており、Google Health-ザの移行支援も発表。今後も強化していく計画を発表。Google Healthは早過ぎた点と、医療産業界では知名度が低く参加者が増えなかった事、又患者の医療記録をWebで管理する事による不安が大きかった事等が終了の背景と言われている。但し今後EHRの法制化により医療産業の電子化が進むとGoogleの再度参入も考えられ、撤退は一時的なものになるとの見方もされている。

CloudからSocialの時代に


クラウドコンピュ-ティングの代表的な存在であり、5月にトヨタとの提携で自動車がつぶやくソ-シャルネットワ-クを発表たSalesforce.comは、“これからはクラウドではなく、ソ-シャルの企業になる”と宣言。そして拡大を続けるFacebook等のSNSに関し、企業は顧客の開拓・管理・対応まで今迄のやり方を変えなければいけないと忠告。企業はソ-シャルメディアを顧客のメッセ-ジ入手から、メッセ-ジを伝える手段としても活用する事でクラウドからソ-シャルに移行するメリットが出てくると定義。また日々の顧客サポ-トでもSNSの重要性は高まっており、人間の間だけでなく、機器と人間を繋げる事でもSNSには価値がある事を指摘。ネットワ-ク事業のEnterasysはネットワ-ク機器のSNS対応を行うソフトウエアisaacを発表。セキュリティ-用カメラが侵入者発見時に、つぶやきで情報配信をする等、今後各種ネットワ-ク機器につぶやき対応が増えてくると予測される。今後はトヨタのつぶやく自動車だけでなくMFP, Printerを初めとしたオフィス機器から家電製品や玩具等と広がりを見せていく事が予測される。

GoogleがSNS市場に再チャレンジ

Googleは挑戦しながらもFacebook, Twitterには大きく水をあけられてきたSNSGoogle+ (Plus)で再チャレンジする事を発表。Google+にはCircleと言うカテゴリ-別にユ-ザをまとめる機能があり、家族・同僚・趣味の仲間等でグル-プの構築が可能となっている。コメントや情報のアップデ-トはCircle単位で行われる為、Facebookのように全員への発信とは違う点をアピ-ル。又Hangout機能によりCircle単位でのビデオ会話が提供され参加者全員のビデオが画面下に表示。自動的に話している人を中央に大きく映す対応が提供されている。モバイル対応では各ユ-ザの現在地の管理により、誰が傍に居るかの情報等が表示される。又Sparksの機能ではユ-ザの興味を入力する事で特定のトピックに関するニュ-ス・動画等のコンテンツを自動的に収集。その情報をCirclesで共有しグル-プでチャットによる討議も可能となっている。Google+Facebook, Twitterに変わって業界最大のSNSになる事は想定し辛いが、Google-ザの間ではFacebook, Twitterとは別に興味・趣味があう仲間等でCircleを構築する事での利用される事が想定される。