Googleがオ-プンソ-スで立ち上げたChrome OSを搭載したネットブックPC“Chromebook”がSamsungとAcerより発表される。発売は6月でアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・オランダ・イタリア・スペインの7ヶ国での販売となるが、順次他の国への対応も計画。通常のPC同様キ-ボ-ドとディスプレイが分かれているが、そのコンセプトはタブレット等のモバイル端末に近く、デ-タの保存からアプリケ-ションの利用はクラウドベ-スとなる。従って起動は通常のPCよりも早く、携帯電話・タブレット端末のように数秒で利用が可能。価格はSamsungのSeries 5が12.1インチ画面・16GB SSDでWifi版$429・3G版$499、Acerは11.6インチ画面・16GB SSDでWifi版$379・3G版$449と、コンセプトだけでなく価格もタブレット端末に近い設定となる。又Googleは企業向けにChromebookを月額$28のレンタル(サブスクリプションベ-ス)で提供する事も発表。基本は3年契約となるが、ハ-ドウエアをサ-ビスビジネスのモデルに合わせ、初期投資をおさえる事でビジネス用途での拡大を狙っている。デ-タを全てクラウドに保存する事でPCを紛失してもデ-タを失う事はないが、逆にWebに繋がらないとデ-タへのアクセスもアプリケ-ションの利用も出来ない事となる。そこでGoogleは今年の夏までにネットワ-クに繋がらない状態でも利用可能となるOffline用Gmail, Google Docs, CalendarをChromebook用に提供する事を発表。今後ChromebookでMac, Widows PCの市場の食込みを狙っていくが、コンセプト・価格共に近いタブレット端末との違いをユ-ザがどう理解して使い分けていくかが課題となる。GoogleはPC, タブレレット, スマ-トフォンにChrome OSと Android OSを提供する事でユ-ザに“何時でも・何処でも・どのデバイスでも”のサービスを提供していくが、実際どこまで受け入れられていくのか今後の動向が注目される。
Google, Facebook, Twitter等続々とアメリカから産まれる新しいITの発想に注目し、注目すべきニュースを解説。目標は日本発で世界を制覇する新しいサービスの構築!
2011年6月21日火曜日
トヨタとSalesforce.comの提携
トヨタはSalesforce.comが提供するビジネス用途ソ-シャルネットワ-クのChatterをベ-スにクルマのソ-シャルネットワ-クを構築する事を発表。トヨタフレンドと呼ばれるサ-ビスは自動車のオ-ナ-・販売店・メ-カ-(トヨタ)を結ぶソ-シャルネットとなり、情報提供から各種ソ-シャル機能の提供を目指している。例えば電気自動車やハイブリッド車の電池残量が少なくなると充電が必要な事をクルマがオ-ナ-につぶやきのメッセ-ジで送付。又メンテナンスのお知らせ・空気圧/油圧等のクルマのコンディションのメッセ-ジをリアルタイムでつぶやき事で車のオ-ナ-に通知。オ-ナ-はPCだけでなく、iPhone/iPad, Android等の各種モバイル機器で情報のアクセスが可能となる。又トヨタフレンドはFacebook, Twitter等とも連携する為、車のオ-ナ-同士だけでなく、車とは関係無い友人との連絡・情報共有等での利用も可能となる。又トヨタにとっては、車のオ-ナ-に関する情報入手手段ともなる為、そこで集められた情報の活用が検討されていると見られている。サ-ビスは2012年に発売される電気自動車とプラグインハイブリッドからの開始が予定されている。以前から提供されてきた自動車のテレマティクスサ-ビス(音声ガイド付通信ナビ(目的地までのル-ト案内)、事故や急病時に緊急車両を要請するサ-ビス、自宅のパソコンで作成したドライブ計画の共有機能等)の延長にも感じられるトヨタフレンドであるが、クルマ自体がオ-ナ-にメッセ-ジ(つぶやき)を発信する事に大きな特徴が持たれている。その対応にSalesforce.comのChatterが最適と判断し、そこに車のリモ-ト診断機能等を足す事で特徴を出す事を狙ったと見られている。
一方トヨタは4月にMicrosoftと次世代テレマティクスのプラットフォ-ム構築で戦略的提携を発表。今後Microsoftクラウドプラットフォ-ムのWindows Azureをテレマティクスで採用しサ-ビスの強化を計画。トヨタとsalesforce.com、Microsoftとの其々の提携は、一部類似しているように理解される部分もあるが、クルマのソ-シャル対応がSalesforce.com、テレマティクス強化がMicrosoftと定義されている。来年のサ-ビス開始時点では、実際にどのようなサ-ビスが提供されていく事になるのか・又今後トヨタとMicrosoft, Salesforce.comとの関係はどうなるか等にも興味が持たれている。車のつぶやきは今後トヨタ以外のメ-カ-にも拡大し、また家電製品からオフィス機器等にもつぶやき対応が拡大していく事が予測される為、今後の動向が注目される。
拡大するEnterpriseソフトのクラウド化
ERP等のエンタ-プライズソフトウエアを提供するSAPはクラウド強化の一環としてAmazon Web Serviceの対応を発表。今までもIBM, Dell, Verizon等が顧客へのホスティングサ-ビスとしてSAPのソフトウエアをプライベ-トクラウドで提供してきたが、今後はAmazonのパブリッククラウドでの利用が可能となる。今回の発表ではSAPのRapid Deployment solutions (CRM, SCM等でプレ・パッケ-ジ化されたサ-ビス)及びBusiness Objects (ビジネスインテリジェンスツ-ル)が対象となっているが、今後は通常のERPソフトも対象となるように対応を拡大する事を計画。現在SAPのソフトウエアを利用しているユ-ザは今後Amazonのパブリッククラウドへ移行する事も可能となるが、個人での移行は容易では無い為、システムインテグレ-タ-が移行サ-ビスの提供を計画。その動きを先導する形でITサ-ビス・コンサルティングを提供するCapgemini社はSAPユ-ザのAmazon移行サ-ビス提供を発表。又新規導入でAmazonを採用する企業にも各種インテグレ-ションサ-ビスの提供を計画。サ-ビスはAmazonとの共同で提供される事となり、北米でサ-ビス開始後、順次ヨ-ロッパの各国へと拡大させる事を計画。Amazonのクラウド環境では既にOracleのソフトも一部提供されており、大手エンタ-プライズソフトウエアのクラウド化が進行している証となっている。ERP等大規模ソフトウエア導入は大手企業に限定されてきたが、パブリッククラウド化の進行と共に、M層市場等にどこまで拡大していくか注目される。
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