2012年1月22日日曜日

IT部門に重要となる今後のトレンド


Gartnerは、コンシュ-マライゼ-ションとクラウドコンピュ-ティング拡大のトレンドが続くなか、IT部門にとって重要となる今後のトレンドを発表。
* 2015年までに低コストクラウドサ-ビスがアウトソ-シング大手企業収益の15%まで食い込む:LCC(格安航空会社)が輸送業界に価格破壊をもたらしたように、低価格クラウドサ-ビスがIT-ビス市場で拡大し大手アウトソ-シング企業の収益15%程の市場規模にまで成長する。
*2013年にはConsumer SNS, 2014年には企業向けSNSへの投資バブルが終焉:成長の続くSNS市場は多くのベンダ-が凌ぎを削り投資対象となっているが、Google, Microsoft, IBM等のメガベンダ-の参入・注力と共に当たり前のものになり成長が減速。投資対象の魅力が薄れていく。
*2016年までに企業のe-mailは半数以上がタブレット・モバイル端末になる:操作性とアクセス環境向上により企業のモバイル端末利用が大きく増加。Mobile Device Management Platformの重要性が高まり、IMWeb会議・SNS・共有Workspaceのモバイル利用が高まる。
*2015年にSmart phone, tablet向けモバイルアプリ開発とPC専用アプリ開発の比率は41になる:今後4年間の新規導入端末純増分のうちモバイル機器が90%を占め、ロケ-ション情報・ソ-シャル情報の融合で利便性が高まると共にアプリケ-ション開発も優先度は先ずモバイル機器になる。
*2016年には40%の企業が独立機関のセキュリティテストの結果でクラウドサ-ビス利用を選定する:一般に認められている検査機関の証明書を開示することで企業はクラウドサ-ビスを受け入れる。
*2016年にGlobal1000企業の半数以上が顧客に関する機密デ-タをパブリッククラウドに格納する:2011年で既に20%以上の企業が顧客に関するデ-タの一部をハイブリッドクラウド(プライベ-トとパブリックの組合せ)で活用しており今後一段と拡大。
*2014年までに米国で消費されるアジア調達の完成品・組立て品の20%が北米や中南米に移行:米国企業が政治・経済・環境・サプライチェ-ン等のリスク回避の為アジアから北米・中南米に移行加速。
*2016年までに新たな脆弱性を狙ったサイバ-攻撃で、経済的損失は年間10%の割合で増加:クラウドサ-ビスとモバイル端末の利用で新たな脆弱性が見つかり、標的型攻撃が経済にも影響を与える。
*2015年までに、80%のクラウドサ-ビスの価格にエネルギ-(燃料)-チャ-ジが含まれる:再生可能エネルギ-への投資等により価格圧力やサービス提供社の横並びアプロ-チにより、多くのクラウド企業がエネルギ--チャ-ジ料金を採用。
*2015年までFortune 500企業の85%以上がビッグデ-タの競争優位性の効果的活用に失敗:ビッグデ-タは容量だけでなく多様性やスピ-ド等により複雑化する。その為企業が狙う組織の生産性・収益性・効率性向上を行う為の技術面・管理面での準備が整わず、殆どが成功しない。

大手IT企業が強化するHealthcareビジネス


マイクロソフトはGeneral Electricとヘルスケア関連の合弁会社を設立する事を発表。新会社はMicrosoftが開発した医療関連の情報管理プラットフォ-ムであるAmalga、シングルサインオンのVergenceexpreSSO,
GEの医療関連アプリケ-ションのGE eHealth, GE Healthcare Qualibria等を統合する事で、医療関連組織でのリアルタイム情報入手・管理から臨床アプリケ-ションの開発を目指す事になる。又複雑になっている保健医療等への対応を行い、自社・他社のアプリケ-ションと連携する事で、決済モデルの変更等も対応し、その為のデ-タ統合等も視野に入れる計画となっている。2005年にHealthcareに特化した事業部門を発足させたMicrosoftは医療情報管理のAlmagaを全米190の病院に導入しており、GECT/MRI機器ではトップ3に入る実績を持っている為両社の実績を基に今後の活動が注目されている。一方AT&Tはアクセンチャ-との提携で、レントゲン・CT/MRI等の医療画像デ-タを共有・保存出来るサ-ビスを提供していく事を発表。現状米国の病院でのクラウド活用は30%と言われているが、両社はHealthcare市場でも拡大が見込まれるクラウドの推進を図っていく。又今回Microsoftとジョイント企業を発表したGEは既にIntelともジョイント企業を発足済みであり、遠隔医療を行うTelehealthを中心にビジネスを展開している。その他IBM, Dell等もHealthcare産業を強化。Dell1年前に買収したクラウドサ-ビスのInSite On(世界最大規模の医療画像デ-タベ-スを管理)2012年にイギリスでも展開する事を発表。同時に新たなデ-タセンタ-整備で$1Bの投資計画も発表。多くの先進国で高齢化と共に医療改革が進む事から医療産業IT市場の成長が見込まれており各社対応を進めている。

2012年はMobile and Cloud platformの年に


IDC2012Worldwide IT市場は$1.8trilion(1.8兆ドル=140兆円)に上り、その20%Smart phone, Tablet, Mobile network, Social network, Big data analyticsになるとの予測を発表。モバイル機器は出荷台数・売上げ共にPCを超え、Mobile OSの主導権争い(Microsoft, Google, Apple)とモバイル端末の競争(AmazonKindle Fire, Apple iPad)が激しくなると予測。又Cloud computingもインフラの構築からアプリケ-ション開発Platformとエコシステムのステ-ジに移行してきており、IBM, Microsoft, Oracle等の大手とAmazon, Google, Salesforce.comのクラウド関連企業が競合する重要な年になると予測。主導権争いでは買収を含む各社の差別化戦略が進み、2012年末にはどの企業がリ--なれるかの方向性が見えるようになると予測。
一方新興市場(北米・西欧・日本・豪州・NZを除く地域)は2012IT市場成長の半分以上を占めBRICを中心にインドネシア・ベトナム・サウジアラビア等で大きな成長を予測している。又中国は日本を抜き世界第2位のIT市場になると予測している。